HATCHiへチェックインしたあと、夕方少し薄暗くなってきている金沢をまち散歩。
ノープランでぷらぷらしていたら、いつのまにか裁判所前を抜けて兼六園下の交差点まできていました。
そういえば、金沢城のどこかでライトアップをしているって見たような気が。
すると、兼六園下の交差点を曲がるとすぐに、高いところにある金沢城の石川門が赤~オレンジっぽくライトアップされている姿が。
赤くライトアップされているお城(正確にはお城はないのですが)は初めてだったこともあり、その刺激的な姿に大興奮!
この金沢城公園の石垣周りにはいくつか石垣についての説明書きをしてあるボードが立っていて、薄暗い歩道沿いにそのボードを順々に読みながらご機嫌に歩いていると、21世紀美術館が見えてきたあたりから、何やら音楽がうっすら聞こえてきます。
「あれー?どっかでライブしてるのかなー」
「あの広場かどっかストリートでやってるんじゃないかなー」
最初はその程度のソトゴト感だったのですが、歩いているうちにどんどん音がお城の中から聞こえてきてる…!ような気がするんです。
「えー?まさかー…!」が、実はそのまさかで、
金沢城の玉泉院丸庭園の案内板がある奥の方からロックっぽい洋楽が。
そして、玉泉院丸庭園の入口に差しかかると、ぱらぱらお客さんが中にいて、大音量のミュージックとお城らしからぬライトアップされたお庭が…!
「えー!なんでー?」と奥の方まで進んでいくと、お城の中へつながる道は通れなくなっていて、少し高台になった場所から音楽にあわせて少しずつ変わるライトアップを眺めているお客さんがちらほら。
「どこかに人いてるのかなー!どこで歌ってるのかなー!」
そんなワクワクした気分でキョロキョロしていたのですが、ボーカルもバンドもまったく姿が見えず、石垣の向こうにいてるのかなー、じらすなあ、でもなんでそんな演出…?なんて思って見渡していると、ガードマンさんとぱっと目があった……!
駆け寄って、「どこで演奏してるんですか―!?」と、尋ねてみると、
「すみませんー、これテープなんですー…!」
「え!!!!」
恥ずかしそうにぺこぺこ謝ってくれる、とても人の良さそうなガードマンさん。
「年何回かね、こういう風にしてテープかけてるんですよー。でも誰もいないんです。テープなんです。すみませんー…」
「そうなんですかぁ!てっきり!」
「いやー、テープなんですー」
「テープですかぁー」
あははははー、と最後はガードマンさんと一緒に笑ってしまっている私。
テープなのか、CDなのか、i-tunesなのかはわからないのですが、
とにかく生音源ではなく、なぜかロック(しかもプログレッシブロック…)とお城ライトアップという演出のイベントなようです。
(ガードマンさんの話だと定期的に何かしら開催されている様子)
そのあとも何組か、ガードマンさんに質問してペコペコしている姿を見かけたので、私と同じような勘違いをされている方は少なくはないようです。うふふ。
ラストをキングクリムゾンでしめると、ぱっとライトアップが切り替わりました。おそらく、これが通常時のライトアップなのでしょうか。
こっちのほうが個人的にはしっくりくる気がします。しばらくするとお琴の音楽にも切り替わっていて、なおさら「こっちこっち!」という感じ。
どういう趣旨でされているのかまではよくわからなかったのですが、2020年を目指して金沢城自体の復元を進めていっている中、この玉泉院丸庭園も復元されたお庭のひとつで。
のちにこのイベントのフライヤーを手にしたのですが、
「金沢城とプログレッシブ・ロックの夜」というタイトルで、
“金沢城玉泉院丸庭園を彩るライトアップとプログレッシブ・ロックが融合する幻想の世界。
選曲は松任谷由美と立川直樹。
江戸時代の庭園が時空を超えて現代に甦ります。”
というキャプションが入っていることから、おそらく最後の一行とこの復元されたお庭をリンクさせて盛り上げようとイベント化しているのだと思います。
ひょっとしたら、プログレッシブロックとお城がお好きな方にはたまらないイベントで、固定ファンがいる濃いイベントなのかもしれません。
なぜプログレッシブロックで、江戸時代とキングクリムゾンなのかは謎のままで未解決なのですが、私はこのギャップ空間を味わえたという事実と、とてもステキなガードマンさんと出会えたのが一番メモリアルな出来事でした。
ちなみに今回もそうだったのですが、この玉泉院庭園のライトアップは鑑賞料無料で、通常週末や土日は21時ころまで見られるそうです。
きっと通常時はお琴ぽろろん~にお庭が際立つライトアップなのだと思います。
金沢城公園の夜のお散歩とお庭ライトアップめぐりの際はぜひ。