金沢ジャーニー1日目はHATCHi探検をしたり、暗くなってからご近所を散歩したりしていてすっかり遅くなってしまったので、夜ご飯はHATCHiにあるa.k.a.へ。
お昼に近江町市場でおなかいっぱい食べたので、少しをちょっとずついただけるおばんざいはうれしいです。
ちょうどいいね、なんて言いながら飲んでいると、カウンターの中から若い男の子が話しかけてくれて。
アルバイトの男の子なのかな、と思っていたらなんとシェフでした…!
徳島出身の彼は、京都で学生時代と修行を積んだ後、パリへ行き、その後戻ってきて金沢で料理人をしているのだとか。
(パリでは素敵なプロポーズまでコンプリートしてきたというメモリアルエピソードも)
なぜ料理人を?と尋ねると、
彼のお父様が素晴らしく先見の明があるといいますか、時代を読む力があるといいますか、とても聡明な方で、お子様たちに手に職をつけることが大事だと説かれていたそうで、彼も料理人を志すようになったようです。
とはいってもやはり、社会に出てからの修行時代はたくさん悔しい思いや挫折の経験を重ねたようで、それでも彼は料理人を続け、休日も料理を楽しみ、将来の夢もしっかり明言しています。
「つらいことも多かったけど、やっぱり料理が好きなんで」
そんな風に彼の話を聞いていると、仕事の先に好きがあるのはとてもいいな、強いなと。
なんとなく大学を出て、いい会社でなんとなく総合職…のような「なんとなく道」な大人よりも志がはっきりとしていて、常に前へと進み続ける力を自分の中でしっかりと灯すことができていて。
その原動力となる「好き」に勝てるものはないですね。
それはきっと料理への愛情とバランスにつながっているんじゃないのかな。
その分、自分自身への問いもまっすぐで深いんだろうな。
いつも塩加減が難しくて緊張する、と言っていた秋刀魚。
お客さんの前に立って、お料理をするってとても緊張するだろうし、その緊張感と楽しさって紙一重なようにも思います。
お料理の道に終わりはきっとないんでしょうね。
もちろん、秋刀魚は脂がたっぷりのっていて塩焼きが香ばしくとてもおいしかったです♡
京都では仕入れが難しい野菜や食材が金沢では手に入るらしいです。
そういえば市場にずらりと並んでいた加賀野菜はとても種類がたくさんあって、リーズナブルだったのを思い出します。
海にも山にも近い金沢は、フレッシュで質のいい食材が手に入りやすいのかな。
お醤油やお酒なんかも地元で作っているし、金沢だけでたくさんのおいしい、が揃いそうですね。
金沢は食も文化も成熟しつつ、新陳代謝をしっかりとし続けている豊かな土地だと感じさせてくれます。
「若い世代にも食べにきてもらい、日本料理を身近に感じて欲しい」
そんな願いを持った彼は、2020年に地元・徳島でお店を始めるのが夢だそうです。
お店、できたら食べに行きますね。(そうだ、私、おばちゃんなんだけどお店に入れてね…!)
日本人の味覚やおいしいの変動、食への価値観の変化が激しい昨今ですが、
日本人のコアな食文化や食事スタイルの素晴らしさ、楽しさを次の世代にも彼のお料理で彼流に伝えていってくれるとうれしいな。
ごちそうさまでした!楽しい時間とおいしいお料理をありがとう。
■彼、梅津くんのInstagram