金沢を旅する楽しみのひとつ、それは古くて美しい街並み。
街を歩いていると、こんな感じの古い建物がたくさんあります。
「あっ！」と見つけると
思わず道をあちこち渡っては、建物をじっくり眺めてしまうことの多さったら。
（なかなか目的地に着かないのも旅ならでは）
ここは福久屋石黒傳六商店（ふくひさやいしぐろでんろくしょうてん）という170年近く前からある個人のお宅。
「石黒ファーマシー」として親しまれた立派な商屋さんなのだとか。
どうやら金沢市独自の取り組みで、
「金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例」という制度で、
景観形成上重要な建造物を「指定保存対象物」とし、その外観保存を行っているようです。
なるほど。どおりで少し街を歩くと、いろんな古くてキレイな建物が堂々と立派に残っているのですね。
さすが、金沢市。条例レベルでの素晴らしい取り組みです。
立派なおうちのつくりは見ているだけでも、あっという間に時間がたってしまいます。
今でも凛とした表情で、営業しているお店もたくさんあります。
このあたりは古い建物をリノベーションして、うまく呼吸をしているお店も。
次、金沢へ旅するときには立ち寄ってみたい金沢ワイナリーさん。
一階はワイナリーとして樽があり、二階はフレンチ農家レストラン、ア・ラ・フェルムドシンジロウとして町屋を使っているようです。
そう、この建物は、
前の秋に金沢へやってきたときに何度も前を通っては眺めていた、指定保存建造物の「旧田上医院（きゅうたがみいいん）」。
このモルタル塗の洋風建築の建物は、なんと昭和7年にできたらしいです。
隣には臨床診療所と住宅棟（こちらも田上家として指定保存建造物）もあり、
この角地一帯が平成最後の年とは思えないくらい、クールでノスタルジックな雰囲気なのです。
地震がきたらどうなっちゃうんだろう？
人生で三度、地震で被災している私としては、ふとそんな思いがつい過ってしまうのですが、
だったらなおさら、この金沢市の「指定保存建造物」をはじめとする、
街並みを守ろうとする考えや動きは、今だからこそできる、とても賢明な取り組みだと思います。
無理やり残そうとするのは、また別だと思いますが、
文化や歴史と共生していくというのは、時間が何次元にも伸びてとても豊かなことだから。
金沢の旅はいつも、
よく食べて、よく歩いて、またよく食べる、とても心地よくてヘルシー♡
たくさんの新しい発見と出会いのある時間を過ごせるから、すぐに行きたくなるんだと思います。
また次の金沢も、気ままな街歩きをめいいっぱい楽しめますように。
■金沢市：指定保存建造物 街歩きマップ
