四国にある小さな山の秋トレイル。
旅先で登れる山があることを知って、身軽にリュックも持たずにポールを借りてお出かけです。
「おー!」ってなってる、気合いだけは十分のポーズ。
いつも山は登り始めがしんどいのだけど、一番はしゃぐ元気があるのもこのタイミンング。
初心者なので時間配分も気にしていないのんき者です。
「大川山」と書いて、「だいせんざん」と読むこの山は、香川県と徳島県の境目にある讃岐山脈で標高も1060mと、お昼前からもで気軽に登れます。
しかし、なぜかホントに見事に人に会わない。(登りも下りも誰にも会いませんでした)
キレイに整備されたトレイルではなく、自然たっぷりの森の中を歩いていく感じです。
お昼過ぎから雨が降りそうなお天気だったので、日が当たらず、山の中は寒かった…!
ちょうど紅葉の季節だったので、ざくざく落ち葉の上を歩くと絨毯みたいにふわっとしています。
日本の紅葉は、落ち葉でもこんなにキレイなんですね。
時々どんぐりのツノツノも混ざっているのが、なんだか可愛いくてほっこり。
でもちょっとこの山道がどこまで続くのかわからなくて、気持ちがバテる……。
誰にも会わない山登りは初めてです。
その分、ちょこちょこ休んだり、風景を楽しんだりしながら周りのペースを気にすることなく登れます。
標高が高くなってくると、遠くの方まで見渡せ、紅葉もキレイです。
きっとお天気がよかったら海まで見渡せたりするのかも。
ようやく山頂に近づいてきて、ワクワクしていたのですが、
山頂手前にはキャンプ場はクローズドで誰もいない、
山頂にある神社はたぶん誰もいなくて中はすっからかん、
どうやらお祭りごとはあるようですが、この時期は人がいないようで、なんだか少し寂しい景色。
夏は賑わってるのかなあ。
この神社をぐるっと囲むようにある大きな木達はとてもキレイに紅葉していて、このあたりをしばらく散策していると、冷たい雨が降ってきたので、山を降りることに。
あの真ん中あたりにある集落に泊まっていたのかしら。
近道を見つけて通ったりしていると、下りはあっという間に山から出ることができました。
旅ナカでの軽いトレッキングにはぴったりの運動量。
登り口がわかりづらかったので、地元の方に尋ねながら行くのがおすすめですが、何分なかなか人にも会わなかったなあ。
帰りにたまたま立ち寄った酒屋さんが、
なんと数日後にお店を閉めるらしく、それでもひょこっときた旅行客で見慣れない私たちに酒屋さんのおじいちゃんはとても親切にしてくれました。
とても品のいいおじいちゃんで、話を聞いていると、代々酒屋さんをやってらしたのだけど、人口や観光誘致のバランスが色々関係してそうな印象で、外からやってきてる身ですが思わず「うーん」と考えてしまいました。
観光や旅行で人が増えてくれるのはとてもいいこと、でもそこにもともと住んでいる人たちの生活が変わってしまうのはどうなんだろう。
この後も私はいろんなところを旅しているのですが、実際に訪れてみて、やはり地元の方達が主体的に楽しめている場所が豊かだなあ、と感じることが多いです。
そのときも酒屋さんのおじいちゃんと話して胸がちくっとして切ない気持ちになったのですが、
時間が経って、たまに振り返ってみても、やはり残念に思うことが多いです。
おじいちゃん、元気だといいなあ。
旅は知らない世界に触れたり、のぞいたりすることができて好きなのですが、
一方で、外者ながらに立ち止まって「それってどういうことなんだろう…?」と考えるきっかけになることも。
なかなかすぐにすっきりとした答えが出ることばかりではないですが、
今夜もちょうど同じ季節の今頃の写真を見ていて、キレイな山の紅葉と酒屋のおじいちゃんのことを思い出していたのでした。
来年はまた四国の山を登りたいなあ。
■四国 大川山(だいせんざん)
〒766-0202 香川県仲多度郡まんのう町中通