白金ビルケと青い池をまわった後、おばあちゃん達の待つゲストハウスまでの帰り道、
「ちょっと寄り道してみよっか」
そんなわくわくする言葉で気まぐれにはじまるショートトリップ。
“美しい丘の町 美瑛町”らしい景色が見渡せるという場所までドライブです。
どんどん日が落ちていく中、ビルケから車でだいたい10分くらい走っていくと、丘の上まで抜けられる道が見えてきます。
そう、美瑛町は高い建物はなくて見通しも良く、道もシンプルでわかりやすくて、運転下手な私にもやさしいんです。いつまでも走っていられそう。
丘の上にある駐車場に車を止めて外に出るころには18時前でもずいぶん暗くなっていましたが、スマホで照らしながら丘のはしっこまで。
周りは誰もいなくて、貸し切りのトワイライトタイム。
瞬きするのがもったいないくらい、じわじわと変わっていく青とオレンジのグラデーションが美しい。
おうちもまばらで、このあたりにある小さなカフェも17時くらいにはクローズドしてオフタイムを過ごす暮らしの時間がぽつぽつと流れています。
おおらかでときには厳しい大自然に寄り添いながら、豊かな日々を紡ぐ。
おばちゃんのやさしい笑顔のルーツも、きっとそこなんだろうな。
旅先にも抱えてきてしまったこと達は、
思い出すと泣いてしまいそうになるけど、
ひんやりする少し冷たい空気で思いっきり深呼吸をすれば、悲しみも少しずつまあるくなって目の前の美しさをまっすぐ見つめることができます。
こんな時間にふれたかったんだろうな。
旅は偶然のようで必然の積み重ね。
そんな気がしてても今はいいのかな。
絶景サンセットをあとに、おばちゃん達のもとへほくほくしながら帰るのでした。